こんにちは♪YUME♡miyakoです。
最近、子ども達が”うつ”などの精神疾患にかかったり、自殺することが増えているという記事を読んだことがきっかけで、ある本を手に取りました。
それが、『心の病気にかかる子どもたち』精神疾患の予防と回復 精神科医 水野雅文著 朝日新聞出版 です。
今日は、この本の内容から一部をご紹介したいと思います。
現場で小中学生と接している指導者としては、心に留めておくべき内容でした。
筆者の水野雅文先生は、精神疾患の早期発見・早期治療という予防精神医学を専門として、30年以上、精神疾患の患者さんとそのご家族と向き合ってこられた医師です。
精神疾患は15歳~35歳くらいの若い世代に多く、その先の長い将来にわたって、影響を及ぼします。だからこそ、十分に回復が期待される早い時期に病気に気づき、治療を始める必要があります。このことを、水野先生は学校の授業で正しく学べるようにと、仲間の精神科医のみなさんと文部科学省などに働きかけてこられました。
その甲斐あって、2022年4月(つい先日ですね)新学習指導要領に基づき、高校の保健体育の授業で精神疾患の学びが実現しました。
本書の重要部分をまとめますと。
① 精神疾患は、だれでもがかかりうる病気である。
② 心が弱いからかかるのではない。
③ 多くは若い世代で発症 半数が14歳まで。7割が25歳までに発症。
④ まず、正しく理解することから。
⑤ 早期治療で回復が可能である。
日本全体で精神科受診者が増加傾向にあり、新型コロナウィルスの感染拡大後は”コロナうつ”が増えたことが話題となっています。
興味深いデータが掲載されていましたので、ご紹介します。
『先進国の年齢階級別死亡者及び死亡率』データで、フランス・ドイツ・カナダ・アメリカ・イギリス・イタリア・韓国・そして日本の中で、15歳~34歳までの死因の上位3位までを調べたところ、諸外国の死因の第一位が「事故」であるのに対して、日本と韓国のみが、「自殺」が第一位だったのです。
自殺増加の原因には、若者の「心の病気」があります。
まず、病気の始まりに気づきにくいことが挙げられます。実は、分からないのではなく、本人も周囲も「何かいつもと違う。」と感じながらも、「そんなはずはない。気のせいだ。」などと気づかないふりをして、見過ごしてしまうのです。
偏見が治療の妨げとなっていること。周囲の理解が得られないと、子ども自身が自ら精神科を受診することは難しく、そのために発見・治療が遅れます。「精神科」を受診しているなんて、学校にも友人にも、ご近所にも知られたくない、という気持ちが受診を遅らせます。
まず、周囲が子どもの変化に気づき、精神科への偏見をなくすこと、そして、一番大切なのは、「子どもの話をよく聞くこと」です。
『子どもの話をよく聞くこと』・・・これは、本人が困っていることに耳を傾けることです。
学校の先生の理解が得られないかもしれないな、と親御さんが感じられたら、無理に話す必要はなく、精神科医に相談することが一番です。学校の先生に相談して、かえって話がこじれた例を知っています。もちろん、理解も知識もある先生になら、何でも相談して共に解決に向かって話し合ってください。
精神疾患といっても、種類も多く、その症状も違いますので、ここに書ききれるものではありません。詳細は今回ご紹介した本に記載されていますので、ご一読されることをお勧めします。
幸いなことに、一昔前よりもずっと精神疾患に対する理解が深まりつつあると感じています。高校の保健体育の教科書に「精神疾患を理解する」学習が組み込まれたことは第一歩です。
親も子どもたち自身も、そして教師も、周囲の人々が正しい知識で精神疾患を理解し、若い世代で発症した早期に適切な治療を受けることと、医師の指導で家庭環境を整えていくことが、その子の将来に大きく影響します。
みんなが笑顔で暮らせる日本に(^^♪
今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬