こんにちは♪YUME♡miyakoです。
２０年間の現場での指導を通じて、多くの「特性の強いお子さん」と出会いました。
Aくんはその中でも忘れられない一人です。
まだ私が新人の先生だったころのお話です。
Aくんの入会時に、既にお母さまから発達障害の診断を受けていることをお聞きしました。
Aくんには、知能的には４歳レベルでストップするという医学的な診断が下っていました。
しかし、彼は小学４年生まで通ってくれました。そして、４歳どころか３年生レベルの算数の問題を解けるようになりました。
しかし、あるレベルまで到達すると、そこから先は全く進めません。
一緒にやると、できるのですが、一人では全くできないのです。
学習塾の指導者である私は、彼をどう指導していけばよいのか、悩み続けました。
性格はまっすぐで素直で優しく、まじめなAくんです。私の出す教材に一生懸命取り組みます。でも・・・・間違いだらけ・・・・
また基礎的な問題に戻り、そこを繰り返すことが続きました。
お母さまは
「Aの限界を決めたくない。できることを伸ばしたい」
といつもおっしゃっていて、私もその考えに強く共感して指導していました。
いつも心の中で自問自答していました。
「彼にこの問題を取り組ませることが、彼のためになっているのだろうか？」と。
私が最も悩んで苦しんだ時期でした。今なら、もっと違う指導ができたと反省しています。
今なら、彼の好きなことを追求していくような指導をできたことでしょう。カリキュラムに沿った指導ではなく、もっと非認知スキルを伸ばす教材選びをできたと思います。
お母さまは、それでも私の教室での学習に満足されて、４年生のある日、スポーツを頑張りたいという理由で、教室を辞めてスポーツの教室に移っていかれました。
私にとっては、「もっとこうしてあげればよかったかもしれない・・・・」というほろ苦い思い出のお子さんです。
それから月日は流れ・・・・・
ある日、教室が始まる前の静かな時間に、突然中学の制服姿のAくんが訪ねてきたのです！！
「先生～！遊びに来たよ～！」と元気いっぱいの笑顔で(^^♪
すっかり中学生に成長した青年のA君がそこにいました。
「今日は早く学校が終わって、前を通りかかったから先生の顔を見に来たよ」
とのこと(^-^)
話を聞くと、中学では支援学級に在籍しているとのこと、そして好きな女の子もいるとのこと♪好きな女の子の写真も見せてくれました♡
５分ほどいろいろな話をして、彼は帰っていきました。
彼の後ろ姿を見送って、なぜだか涙が止まりませんでした。
温かい涙です。涙の意味は、
”私の教室がAくんにとってつらい場所ではなかったのだ”
という安堵の気持ちでした。２度と訪れたくない場所ではなく、ふと訪ねたくなる場所
だったことが、私の心のつかえを取り、頬を濡らす涙となって溢れました。
このことは私には大きな経験となりました。
「子ども達の安全基地」になる、と決めた第一歩です。
これからも、子ども達の心にずっと寄り添っていきます。
今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬
