- こんにちは♪YUME♡miyakoです。
私の教室は、学習塾ですから、もちろん学びの場です。
しかし、お母さま方、お父さま方からは、子どもの友人関係に関する悩みもよく相談を受けてきました。
教室へ入って来て、「こんにちは」と一言発しただけで、その子の今日の、今のメンタルが感じられます。
あ、何か嫌なことがあったんだな、とか、今日は嬉しいことがあったみたい、というその子の気持ちが、言葉だけでなく、足音、足取り、表情から感じ取れます。
私は、子ども達と接する時に、自分の気分がどんなに落ち込んでいようとも、笑顔で明るく声のトーンを張って向き合うことを心がけています。
嬉しいことがあったのかな、と感じられた子には
「何かいいことあったの?」と尋ねて、喜びや感動を共有します。
暗いな、と感じた子にはそのことには触れず、この教室という空間で、今日あった嫌なことを洗い流して忘れて帰ってくれるように、努めて明るく接します。
今日のテーマは「嫌です。NOと言える子に」です。
ここで一つ、実際にあったエピソードをご紹介します。
17~18年前のことでしょうか。同じ小学校の同じクラス、とても仲良しの5年生の女の子二人が揃って入塾してきました。
来るのも帰るのも一緒で、仲が良いんだなぁと微笑ましく見守っていました。
1年以上経過して、二人とも6年生になったある日のことです。その片方の女の子のお母さんから、夜遅くお電話をいただきました。
分かりやすいように、お電話をかけて来てくださったお母さんの娘さんをAちゃん、もう片方の女の子をBちゃんとします。
Aちゃんのお母さんが、電話口で泣きながら話されました。
「うちの子が、Bちゃんに虐められていて、辛くて苦しくて、塾を辞めたいと言うんです。」
ということでした。
驚きました。あんなにいつも一緒で仲良く見えたのに・・・・・
でも、女の子同士にはよくあることです。
「どんなふうに虐められるのですか?」とお聞きしました。
すると、
「Bちゃんは、Aのことを独占したくて、Aが他の子と仲良くしていたら、他の子にはわからないように、凄く嫌なことを言ったり、したりするんです。」
「塾も、”一緒に行かないと学校で意地悪するからね”と脅されているんです。」
と仰いました。
よくある事なんですが、お母さんが大変ナーバスになっておられたので、とにかくお話を受け止めることに終始しました。
ここでAちゃんとBちゃんのご家族構成について触れます。
Aちゃんは、3姉妹の長女です。Bちゃんは逆に3きょうだいの末っ子です。そしてどちらのご家庭もご両親が健在の核家族です。
Aちゃんのお母さんのこの動揺は、”初めてのお子さんである”ことも大きく影響しています。
Aちゃんのお母さんにとって、Aちゃんを取り巻く小学校の環境もお友だち関係も、初めて経験することばかりなんです。こういう場合、お母さんは子どもの言うことで一喜一憂し、物事を大きく深刻に捉えがちです。ただ、今回のように、Aちゃんがお母さんに嫌なことを話したという事実は、黙って我慢しているよりずっと良い結果につながります。
ただし、”お母さんが冷静に落ち着いて対処する”ことが大前提ですが。
しかし、Bちゃんの方は、3人きょうだいの末っ子ですから、強くたくましいですね。そして、お母さんもおそらくBちゃんにそれほど神経質に関わっておられないのではないか、と推測しました。Bちゃんのお母さんは、面談でお話していて、さっぱりとした物事にこだわらないタイプに感じました。ですが、Aちゃんのお母さんは、繊細でおとなしい方でした。
ここで一つ付け加えたいのが、”繊細だと良くない”とか”サッパリした性格がよい”のではありません。長所は短所であり、短所は長所です。
繊細=よく気が付く、人の痛みが分かる
サッパリしている=大雑把で無神経
という風に、表と裏です。それが人間です。
その上で、AちゃんとBちゃんの性格の違いもありますし、この問題は、複雑に入り組んでいます。
ですから、お母さんがどうこう、ご家庭がどうこう、ではなく、起きた事象を子ども自身がどう解決していくか、です。
お母さんにはこのようにご提案しました。
「Aちゃんが通う曜日を変えることはできませんか?」と。
小学校のクラスを変えてもらうことは、余程のことがない限り、できませんから、塾に通う日だけでも遠ざかるという方法を提案してみたのです。
それでも、お母さんは、Aちゃんの意地悪から逃れられない、と言って泣かれました。
難しい問題ですよね。しかし、解決方法はあると思います。
嫌な友達がいて、引っ越しや転校を繰り返していてはキリがありません。
ではどうすればよいか。
「そういうのは嫌だからやめてね」と勇気を出して言うことです。
それで、もっと嫌なことをされたら、担任の先生や大人たちに伝えたうえで、その子から遠ざかること、それしかありません。
しばらく嫌なことが続くかもしれません。だから、「やめてね」の一言が言えなかったり、嫌なのに我慢して付き合うことがやめられないのです。
何も言わずに遠ざかることで、時間が解決していくでしょう。
自分がされて嫌なことを我慢することはありません。しっかり「嫌だからやめて」と相手に伝えて、遠ざかりましょう。
そして、お母さんはそんな話をお子さんに伝えていきましょう。
我慢しなくていいんだよ。
大人を信じて伝えてみよう、話してみよう。
そして、嫌なことをする人から離れよう。
こういうことを子どもに伝えるのが教育であると思います。
子どもは、こういう経験から社会を学んでいきます。コミュニケーションの取り方を学んでいきます。
嫌なことや失敗から学ぶのです。
AちゃんとBちゃんはほどなくして退塾しました。
その後、どうされているのかはわかりませんが、Aちゃんが”自分がされた嫌なことから多くを学んだ”と信じています。
日本人は、なかなかNOと言えませんね。そういう文化の中で長く育ってきたからです。
断らず、受け入れることが正しいと教わってきたからです。
断っていい、嫌と言っていい。そんな当たり前のことを、子ども達に教えていきましょう(*^^)v
今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬