こんにちは♪YUME♡miyakoです。
今日は、本のご紹介をします(#^.^#)
『世界の果て彼女』 キム・ヨンス著
韓国で注目の作家、キム・ヨンス氏の短編集です。
この本との出会いは、岸見一郎先生がオンライン勉強会でおススメしてくださったことでした。
キム・ヨンス氏の文学は、個人的に村上春樹氏を思い起こさせます。ニュアンスが似ていると感じます。本を読んでいるのに、まるで絵画を鑑賞しているような感覚に襲われる心地よい読後感です。
久々に、読んだ後もすぐに本棚に片付けずに、手元に置いて何度も読み返しました。
《あらすじ》
ある青年が、ふらっと立ち寄った図書館に貼ってある詩を偶然読むことから始まる恋愛ストーリーです。
新婚旅行でソウルに来ている日本人のハトコを案内する、30歳になったばかりのアタシ。
他にも、世界のいろんな都市のガイドブックを作って放浪する若いカップルの物語。
ユーモアと人間愛のあふれるキム・ヨンス氏の7つの短編。
短編恋愛小説家と思いきや、私は、この本の言いたいことを違う観点から感じ取りました。
人のことを理解する、分かる、という思い込みを捨てる。
互いに理解しあえないからこそ、愛し合えるのだ。
簡単になぐさめたりしないが、簡単にあきらめたりしない。
分からないからこそ、分かる努力をしていく。
見えない霧の中、まず立ち止まる。そして、方向を間違えず歩き続けるのだ。
コロナ感染症の、いまだ終わらない社会の中で、この未知のウィルスと戦い、共存していくためには、上の言葉は私には沁みました。
『世界の果て彼女』を初めて読んだのが、2020年9月のこと。まさにコロナ禍真っ只中でした。
出来ることは足元にある。そう思いました。
みなさんは、親子、子ども、友人、同僚、これらの人々を分かろうとしていますか?理解しようとしていますか?そこに意味はあるのでしょうか?
分かり合えないからこそ、分かろうと努力し、そこに愛という感情が生まれます。
私は、夫婦関係にまさにそれを感じています。
私と夫は、全く違うタイプの真逆の人間で、分かり合えるはずもない、という地点から結婚生活が始まりました。お互いにそれをよく知ったうえで(^-^;
分かるはずがない、と今でも思います。それでも、共に暮らし、思いやり、共に子育てを一致団結して乗り越えてきた同志だからこその、誰にも理解できない絆があります。
子どもさえ、自分の子どもであっても、分かるなんて傲慢であると思っています。
近くにいて最も理解できない存在なのかもしれません。
分かり合えなくて当然、そこからスタートする人間関係を、私は素敵だと思っています。
目の前の未知の人間を、0から知っていく過程。その過程を楽しみたいのです。
この本で心に残った一節をご紹介します。私が母の死を乗り越えてきた時に、まさにそう感じた言葉が書かれていたのです。
※『君が誰であろうと、どんなに孤独だろうと』より抜粋
簡単に慰めてもらおうなんて思わずに、人生の終わりまで駆け抜けるんだ!
その通り!理解されなくて当然だけれど、それでも人間は弱くていとおしい。だからこそ、理解しあえる努力を続けるべきで、そこには焦りもあきらめもあってはいけないのだと。
岸見一郎先生が、なぜこの本をご紹介くださったのか、よく理解できました。
今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬