絵本

小児病棟での絵本読み聞かせ活動

小児病棟での読み聞かせ

こんにちは♪YUME♡miyakoです。

私は2001年から大学病院の小児病棟で絵本や紙芝居の読み聞かせボランティアをしています。

コロナになってからは、残念ながら感染症対策に厳しい小児科病棟へ入ることができず、活動は休止状態です。

私の塾でも何度も絵本の読み聞かせ活動を行なってきましたが、小児病棟での読み聞かせとは、様々な点が違います。

何が違うと思いますか?

病棟での読み聞かせの対象は0歳〜20歳まで。付き添いの保護者の方も参加できます。

一般の読み聞かせと違う点。

それは、対象となる子ども達が、命に関わる病気と闘っていること、保護者様、ほとんどがお母さんですが、そのお母さんが、とても辛い状況で日々付き添いをされていることです。

このお母さん達の心の状態は、同じ状況に置かれてみないと理解できないと思います。

私が、このブログで

「当たり前の日常に感謝することの大切さ」を訴えるのは、この経験が根底にあります。

小児病棟の扉を入るとそこは別世界です。時間が止まったような世界。

本来なら学校へ行ってる子ども達が、ほとんどの時間をベッドの上で過ごすのです。

私の入る小児病棟の子ども達の多くは”小児がん””心臓疾患”で、ほとんどが長期入院を余儀なくされています。隔離された個室で過ごすお子さんも多く、医師と看護師、限られたご家族のみとしか接しません。

幼くて、自分の置かれている状況など分からないお子さんもいれば、生まれてから一度も病院を出たことのないお子さんもいます。あるいは、中高生くらいの年齢になると、親の付き添いも多くなく、ほとんどの時間をベッドの上でゲームをして過ごす子も・・・・

病棟には看護師さん以外に病棟専属の保母さんもいて、子ども達に少しでも笑顔を届けようとプレイルームを幼稚園のように飾り付けたり、本を読んでくれたり、一緒に遊んでくれたりします。

私たちの読み聞かせボランティアは決まった曜日の午前中に、沢山の絵本や紙芝居を持ってプレイルームへ向かいます。保母さんたちが、事前に各病室に声をかけて、時間になったら入院している子ども達と付き添いの親御さん達をプレイルームへとお誘いします。

私たちが読み聞かせの時に大切にしていたルールをご紹介します。

・涙を誘うような内容の絵本を読まない・・・辛い日々を送っている子ども達と親御さんをこれ以上泣かせてはいけない。

・食べ物や美味しいごちそうが出てくる絵本を読まない・・・辛い食事制限を受けている子ども達に、食べられない美味しい食べ物を連想させない。

・幼稚園や学校行事を取り上げた絵本を読まない・・・・学校へ行きたくてもいけない子ども達です。悲しみを倍増させます。

・誰か(人であっても動物であっても)が、病気などの理由で亡くなってしまう絵本を読まない・・・説明は不要ですね。自分の置かれている状況と重なります。

病棟ボランティアを始めて、直接自分が肌で感じた病気の子ども達とご家族の苦しみ。

そこから制約を受ける絵本選びの中で、私たちは自然と選ぶ絵本のジャンルを絞っていきました。

それは・・・・

選ぶ絵本の特徴

・自然に笑顔になれたり、ゲラゲラ笑える絵本

・へぇ~っと感動したり学んだりできる絵本

・美しい絵とおもしろい仕掛けで子ども達が喜ぶ絵本

・怖くなくて面白い日本の民話

・言葉遊びやユーモアでみんなが参加できる参加型絵本

ボランティア活動を通じて、私たちが得たものは数多く、言葉に表現できないことばかりです。あの世界を知らずに生活できれば、幸せな人生です。しかし、あの世界に触れる機会があった私は、人々の痛みや苦しみを知り、幸せな人生や幸せな子育てへの考え方が180度変化しました。

残念なことに亡くなっていくお子さんを沢山見てきました。そのご家族も。

子どもを亡くした経験のない私には、どんなに想像してもこのご家族の気持ちを理解することは不可能です。

読み聞かせボランティアができることは、ほんの一瞬、笑顔を届けることです。

そして、「素晴らしい絵本の世界」をご紹介することです。

大きなことなどできません。できるはずがありません。命との戦いの現場で私たちは無力です。それでも、苦しい辛い日々の中で楽しい思い出が一つでもできればそれでいい、そんな思いが活動の原動力です。

この読み聞かせボランティアでの経験は、私の仕事にも活かされてきました。

悲しみや苦しさと共に生きている親子の為に何ができるだろうか?この気持ちを忘れたことはありません。それと共に、自分にできることは些細なことである、忘れ去られてもいいくらいの些細なことで、自分の思いを押し付けないということ。このことを学びました。

この活動を通して、赤ちゃん絵本のすばらしさにも気づきました。

生まれて間もない新生児でも絵本の読み聞かせの効果があるんですよ(#^.^#)

お母さんの胸に抱かれて、目をキョロキョロ動かし、手足をばたつかせ、お母さんが笑うと声をあげて笑うんです(^^♪

絵本の力ってすごいですね。

私は、活動をしている、という感覚を持っていません。逆に、「ありがとうございます。」という気持ちでいっぱいです。私に多くの幸せと気づきを与えてくれたのが小児病棟での読み聞かせです。

お母さん、当たり前の日常の幸せに気づいて、お子さんにたくさん絵本を読んであげてください。

今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬

 

 

 

 

ABOUT ME
池永 宮代子(みやこ)
20年にわたる学習塾の指導・経営の経験から、「生きる力を育む子育て」を応援します。 親と子の夢を育む・・・それがYUME∞IQのコンセプトです。 すべての親子に笑顔を♪